1.ラーニングピラミッドとは?
- 講義(5%)
- 読書(10%)
- 視聴覚(ビデオ・音声による学習)(20%)
- デモンストレーション(30%)
- グループ討論(50%)
- 自ら体験する(75%)
- 他人に教える(90%)
図をみてもわかる通り、学習における講義の定着率は5%程度、読書や視聴覚、実演を含めてもMax30%の定着率にとどまり、どちらかと言えばそれらは『受け身的な学習方法』と言われています。一方、グループ討論、体験や演習、そして学んだ事柄を他の人に教えるという『能動的な学習方法(アクティブラーニング)』はとても高い学習定着率を示しています。
ここからわかるのは音声学習やペアワークでの演習、相互フィードバックは英語学習として、とても効率がよいということです。しかしながら、ネイティブスピーカーが近くにいない日本人は自らが英語を話す機会をあまりもてないというのが現状です。
そこで今回は、音声学習の王道である『シャドーイング』についてお伝えします。
2.シャドーイングって何?
シャドーイング(Shadowing)は、ことばのとおり『影のようについてくる』というイメージをもっていただくと分かりやすいと思います。つまり、「聞こえてくる音声をそのまま、遅れないように即座に声にだしてついていく」という学習方法です。一見簡単な行動のように思えますが、聞くことに集中しながら同時に口からそのままの音声を発していくので戸惑う方も多いと思います。
一方で、学習効果は非常に高く、特に中級レベル以上の学習者にはとても有意義な練習方法として知られています。
3.シャドーイングの効果は主に4つ!
て理解が正確になる。
2) 英語を物理的に発話するスピードがアップする。
3)イントネーションやストレスなど英語のプロソディーをとらえる力
が向上し、理解力と理解したものを表現する力がアップする。
4)高い集中力を維持しながら聴く力がアップする。
4.実際にシャドーイングに挑戦してみよう!
まずは、教材を選択します。教材は日ごろ学習に使っているテキストでもいいですし、中級レベル以上の方であればTOEICの試験問題(Part2やPart3がおすすめ)を利用してもよいと思います。
ステップ1 リスニング
➣まずテキストを見ないできいて、特徴をつかもう!
まずはテキストを見ないできいてみましょう。漠然とでいいので、全体の意味をききながらとってみてください。分からなくても気にせず、英語の特徴(テンポやイントネーション)をつかみましょう。
ステップ2 マンブリング
➣テキストを見ないで、聞いてぶつぶつ。
口の中でつぶやく程度の声でシャドーイングすることをマンブリングといいます。いきなりシャドーイングをしようとすると、自分の声によってテキストの音声が聞こえなくなってしまいますので、慣れないうちはあえて小声でつぶやいてみましょう。
ステップ3 テキストで意味や英語の確認
➣分からない時は、早めにチェック!
内容の意味がよく分からないと、シャドーイング自体が苦痛になってしまうことがあります。分からなければ早い段階でテキストをみて、内容の理解を深めましょう。
ステップ4 シンクロ・リーディング
➣とにかく「スピード」が大切!
音声を聞きながらテキストを見ながら音読します。
実施する際は次のことに注意をして下さい。
- 遅れずについていくこと
- 音の強弱やイントネーションをつかむこと
ステップ5 プロソディー・シャドーイング
➣とにかく「音の再現」に意識を集中音声をききながらテキストを見ないで、できるだけ正確にきこえてくる英語を再現します。途中でつまずいても、あきらめずに次のきっかけをつかんで、シャドーイングを再開しましょう。
ステップ6 コンテンツ・シャドーイング
➣「意味」に意識を!
音声がとれてきたら、今度は意識を意味に向けてみましょう。内容をとりながらシャドーイングをします。次第に意味がするすると取れてくる感覚を味わって下さい。